2月に行われた2021年度統一試験の合格率、人数が(一社)要約筆記者認定協会のホームページで発表されていました。
受験者数はコロナで落ち込んだ昨年度より増えていますが、合格率がグッと下がっています。
周りでも「今年は試験問題が難しかった」という声を多く聞きました。
ただでさえ難しい問題。これをまた1年勉強しなきゃならんとなると・・・
そういう意味で2度目は受けない人も、私のサークルでもいます。
試験内容をみると、だんだん、ひねりを入れているのかなと思う節もあります。
おととしは合格率が高かったから、ちょっと難しくしよう、なんて思われたのでしょうか。
現場は、各地で人手が不足していると思うので勉強した人が報われるようにしてほしいです。「もう少し間口を広げたらいいのでは」という気もします。
私は解けるかな?
と、2021年度統一試験問題をダウンロードして読み始めたものの、数分でギブアップでした。
昨年暮れ、勉強会で新人さんと一緒に過去問をやったときも、ほとんど解けなくて恥ずかしい思いとしました。
全文入力まではいかなくても、私がパソコンを要約筆記を始めたときは、全体を100とすると50~70%くらいの要約率だったのですが、いまは30%ぐらいかな。
過去問の実技問題も「パソコンもここまで要約するのか」というのが本音。
カリキュラムでは連係入力が入っていないので、一人入力前提だからでしょうか。
奉仕員時代からは考えられないほどの要約率です。
それがいいのか、悪いのかはさておき。
ここまで要約するためには、「概念の再構築」を常に意識していないといけません。
聞いたこと、ありますよね?
私の中で、概念の再構築とは、聞いたものをいったん、バラバラにして
もう一度組み立て直すような・・・。そんなイメージです。
この作業、いつもできるとは限りません。大事なキーワードを最後に言う人もいて、その間、辛抱強く待っていないといけない。そんなことしているうちに、今度は話に追っつかないなる。
いまはこの繰り返しです。
うまくできたと思えたのは、数えるほどです。
要約の上手な人は、話の芯をとらえるのが上手なんだなと思いますが、私は、最後まで聞かないと「何が言いたいのか」が分からないタイプ。
にぶい、ってことですな。
話をしている中から、「言いたいことは何か」ということにアンテナを張っていないと、うまく伝えられません。
長年、要約筆記をやってきて、試験が導入されることを善しとしなかった諸先輩たちも大勢います。
いまでも、手書きの先輩の中には、「要約筆記をするために資格制度だの試験は不要だ」とおっしゃる方もいます。
でも、全要研の講師の方がいうように「資格をとってからがスタート」なのです。
筆記問題は実際の現場に出ると使うことはない知識もありますが、ベースとして押さえておけば、いざというとき役立ちます。
私としては、まず一度しっかり勉強して、資格取得を目標とするのがいいのでは、と感じています。
試験の話はここまで。
最近の現場
コロナも感染者数は増えているのに、緊急事態宣言時やまん延防止等重点措置のときのように「中止」とはなりません。
感染防止対策を講じていればOKのような雰囲気です。
在宅ワークのおかげでZoomが使える人も増え、オンライン要約筆記もたま~にあります。
「たま~に」の程度なので、その都度、オンライン要約筆記の勉強必至です。
繰り返し、何度もやることが大事
若いころ覚えたことは意外と定着しているけど、錆び付いた頭で必死に覚えたものは、すぐに抜けていきます。
対面で行う連係入力は、もうウン十年やっているから、体にしみついていますけど。
だから、オンライン情報保障のときは、対面の情報保障のときの何倍も緊張します。
ネット環境に大きく左右するのでその心配もありますし。
パソコンは、養成講座などで知識として触り程度でも教えてほしいなと個人的に思います。
知識が多少でもあると、取りかかりやすいからです。
ひょっとしたら全要研のカリキュラムに入ったりして・・・?
というのは淡い期待ですが。
要約筆記に対する温度差
こうして要約筆記の記事を書いているので、これわんはすごく要約筆記に対して情熱を注いでいるかと思われがちですが、そうでもありません。
時々、要約筆記に対して熱い思いの人との差を感じることもあります。
一番最初の、奉仕員を受講したときの講師の言葉「できることを、できる人が」が私のマインドとピッタリだったんです。
その「できる」というのは、人それぞれ違いますからね。
その講師が言いたかったのは、「ボランティア活動は無理すると続けられないよ」ということです。
コロナが原因なのか、「何か手に職を」「出掛けられない今、何かしたい」という気持ちなのか、養成講座の受講生は増えています。
いろんな資格をとる人も増えていて、「要約技術を身につけたいから」という理由で受講される人もいます。
講座だけ受けて、活動をしない人がすごく多くなってきました。
養成講座は受講費用は高くありませんが、80時間を超えるご自身の時間を削って勉強するわけです。
時間は有限。講師も必死に指導案つくっています。
安易な気持ちでは長続きしませんから、見きわめて受講してほしいと思います。