あと数日で2021年も終わりです。
12月26日は派遣納めでした。この情勢下ではめずらしく大規模なイベントでした。
ゲストにお笑いの方がくるので、観覧希望者が大勢で盛り上がりました。笑いの絶えないイベントで裏方のこちらまで楽しませてもらいました。
頑張ったよ~
ただ一点、こういうシーンで「マスクはじゃまだな~」ってこと、強く思いました。
笑っている口元が見えると、演者さんも一層うれしくなるんじゃないかなって。
ブログなどで「コロナが収束したら」というフレーズをよく見ますが、まだしばらく続くと思いますよ。
私個人としては、派遣件数も2021年は2020年よりも少なかったです。緊急自粛宣言の期間が長かったせいかもしれませんし、実際、派遣依頼したくても、空気を読んで、それこそ自粛したのかもしれないですね。
要約筆記ってこんなに認知度低いの?
2021年の振り返ると、一番印象に残ったというかショックだったのは、要約筆記って認知度低いことを再確認したことですねえ。
分かっているけどツラいわ~
秋、某現場でのこと。
なぜか主催者のお偉いさんから、セッティングのことに始まり、いろいろ文句を言われ。
そちらが派遣依頼されたんですよね?
と内心思っていました。まあ、でも口に出せませんね。
なんつーか、雰囲気が変というか。主催者のスタッフも、その団体のお偉いさんの顔色を見るような感じでした。
とにかくこちらはただ言われるがままです。
講演の講師は地元ではちょっとした有名人で、来場者も年配の方が多かったんです。
終了後も、そのお偉いさん&取り巻きに
「要約筆記は不要だったね!」
「ねー!」
と面と向かって言われました。初めてのびっくら体験(@_@)
訳が分からないまま、メンバーと「なんなんだろうねぇ、ドーッと疲れたねぇ」とトボトボ帰りましたとさ。
後日、聞いたところによるとコーディネーターが「お年寄りが多いから要約筆記はつけた方がいいですよ」と主催者にプッシュしたそうな。
それなのに、セッティングとかスクリーンの位置とか、当初予定していたことが大幅に狂ってしまい、イライラの矛先が私たちに向けられたようです。
高齢難聴の方、意外と多いんですけどね。
そういうことをご存じないんだろうなと思いました。
結局は、要約筆記はまだまだ「知られていない」「認知度が低い」ということなのでしょう。
知りあいに要約筆記を伝えるとき
私、この要約筆記活動を友人に説明するときに「要約筆記」っていうと
それは、なんですか?
と聞き返されるので、
最近では「講演会のリアル入力」とか「文字通訳」という言葉を使うようにしています。
友人は「ああ、字幕みたいなものね」と言うのですが、字幕ってさすがに違うかな。あえて訂正しませんけど。
難聴者・中途失聴者へのボランティアという意図はまったく伝わりませんが、とりあえず、どういうことをするかは分かってくれます。
まあ、それでいいと思っています。マイナーな活動だから。
今さら思うんですが「要約筆記」って言葉に違和感を覚えます。
パソコンは筆記じゃないしさ。入力だから、文字入力でいいんじゃないのかなーって。
東京手話通訳等派遣センターは要約筆記の派遣をしているのに、どこに要約筆記の文字があるかといえば手話等の「等」に含まれているんです。
だから認知度は低いままなんだな?
以前は条例なんかにも「手話等」となっていて、それは先輩たちの働きかけにより、徐々にですが手話「等」は「手話・要約筆記」という文言に直されてきています。
でも、知っている人は知っている
数年前のこと。個人の方へのパソコンの講義のノートテイク依頼がありました。
ろうの方の資格取得のための講義でした。最初は情報保障をつけなかったのですが講義が進むにつれ難しくなり、その方はだんだん、ついていけなくなったそうです。
どうしたものかと講師の人が悩んでいたとき、そのパソコンスクールの事務の人が、春に要約筆記養成講習会のチラシをみたことを思い出し、行政に問い合わせして派遣につながったケースもあります。
こういう例は、本当にまれですけどね。
コロナ禍で、総理や知事の会見のとき、手話通訳がつくのがスタンダードになりつつあります。
が、要約筆記はつきませんね。まー、いろんな事情があるのでしょう。
手話通訳は前から人気ですが、テレビで見る手話さんてピシッとしてかっこいいですもんね。あこがれますよね。
それに引き換え要約筆記の認知度の低さったら。
私たちは派遣依頼が来たら現場で行って情報保障をする役目を果たせばいいわけですが、
今年はあまりにも要約筆記の認知度が低いことが分かったので、来年はちょっと広報活動に力を入れたいと思います。
本当に、あまりに知られていないから。
認知度が上がっても、行政の予算などの絡みもあるので急激に派遣が増えたり養成講習会の受講生が増えることはないでしょうけど、こういうことは一つ一つやっていくしかないと思います。
行政に支援を求めていくことも必要なんですよね。
来年に続く・・・