気づくと今年もあと2カ月。
数カ月前、サークルで個人的にも仲良しだったMさんが「思うところあってしばらく休む」と言ってショックを受けています。
それ以外にも小さなハプニング続きで、何かとモヤモヤがつきまとっているこれわんです。
今年の要約筆記の派遣はコロナ禍のせいか、昨年と比べて少なかったのですが、10月になり、いろいろ緩和されたおかげか派遣件数も増えてきました。
感染の第六波が懸念されていますが、どうかこのまま、経済が回っていきますように。
そんな数少ない現場を少ない登録メンバーで回していて、ふと思い出したんです。
パソコン要約筆記の講師はATOK&親指シフトだったなー
って。
ウン十年前に受けた養成講座のI講師(男性)がすごく入力が速くて、ビックリして聞いたところ親指シフト&ATOKユーザーでした。
講座修了後、受講生一同で講師2人のデモを見せてもらったときのことをキョーレツな記憶として残っています。
日韓ワールドカップのニュースを入力されたのですが、その「あ・うんの呼吸」に、みな、声が出せなかったんですよね。
神業とはこのことね
そのとき、親指シフトという日本語に適した入力方法があることにも驚きました。
残念ながらその講師の方は講座修了後に転勤で他県に行かれてしまいましたが。
頼れる人がいなくなり、自分で親指シフトに転換しようと独学で始めたのですが、一度、カラダに(手に?)しみついたローマ字入力からの切り替えは難しかったです。
今、あらためて注目されている親指シフトと入力方法について書こうと思います。
親指シフトとは
NICOLA(親指シフト)とは
1980年富士通(株)が開発した親指シフト配列をもとに、1988年発足の 日本語入力コンソーシアムが配列そのたの改良を行った入力方式です。
NICOLA 方式の最大の特徴は、左右2つの親指キーを用いた同時打鍵入力 方式にあり、JIS型や海外のキーボードでのスペースキーの位置に2つ の親指キーを備えています。この左右の親指キーのいずれかと、文字/記号キーを同時に押下する ことを「同時打鍵」と称し、あるキーを単独で打鍵することを「単独打鍵」 といいます。
つまり、親指キーとの同時打鍵により、文字/記号配列部分は右記のように 3とおりの配列をもつことになり、すべてのカナ文字と頻出する記号を3段 の中に配列する事が可能になったものです。
3段に配列されているので指の動きに無理がなく、一文字を一打鍵で入力 する事ができます。これにより打鍵数が少なく、日本語を話すがままに 入力できるようになるのが特徴です。
引用:http://www2d.biglobe.ne.jp/~msyk/keyboard/oyayubi/index.html
当時、親指シフトのキーボードのパソコンは富士通のみが販売していました。
TOSHIBAのマシンを買ったばかりだったし、親指シフトマシンは価格がめちゃ高い。
パソコンと別に富士通が親指シフト専用キーボードを販売をしていましたが、それも2021年4月に製造終了となったようです。
脚本家の北川悦吏子さんもツイッターでこんなこと、つぶやいていました。
親指シフトパニック!!もう、このスピードでホンが書けなくなる。気が触れそう。キーボードを買い占めたらなんとかなるのか?確かワープロで親指シフトの脚本家さん、いたような。
— 北川悦吏子 (@halu1224) May 19, 2020
親指シフトはコアなファンが多いんですよね。熱い思いが伝わる
こんなサイトを見つけました。
うーん、侮れないぞ、親指シフト。
入力速度を上げる工夫
要約筆記をはじめたばかりのころは、足りない技術を道具(入力方法やソフト)で補おうと躍起でした。
自分の東芝のマシンをなんとか親指シフトマシンにすべく親指シフトのソフトをインストールして入力練習したり。
だけど、入力方法を変えるのは至難の業でしたね。
派遣と日々の仕事はローマ字入力を使っているので、中途半端に覚えた親指シフトは使えない。
そして、一旦覚えてしまったがゆえに「楽」だと感じているローマ字入力を使い続けて現在に至っています。
今年は重い腰を上げ、親指シフターになろうと思っているところです。練習用のソフトやアプリなどを見つけ、少しずつ練習しています。また、検証して記事にします。
入力方法の違いで速度が変わるか?
入力速度は、ソフトと入力方法で違いがあると私は思っています。
しかし、ローマ字入力は、「か」を出すとき「KA」と2打に対し、カナ入力や親指シフトは1打でOKです。
ほぼ毎日使うパソコンだからこそ、この倍、キーボードを入力するのは無駄で指に負担をかけていると感じています。
慣れてしまえばいいという問題ではなく、長く使い続けるものだからこそ、指をいたわり、かつ技術力を上げたい。
以前勤めていた会社のソフトは「かな入力」だったので「ローマ字」と「かな」、どちらも経験があります。
ローマ字入力は母音以外、入力打数が多くなるので、長時間入力していると疲労することがデメリットだと思います。
でも、今までローマ字入力でやり過ごしてきたのは、一言でいうと「マイクロソフトの罠」でしょうか。
ま、それはさておき、これから入力方法を変えようと思う方は、「かな」または「親指シフト」も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに私は入力ソフトはATOKですが、ATOKもかな入力が可能です。
ローマ字入力に今さら感じること
なぜ今、入力方法について再考しているかというと、要約筆記者不足もあり、4人必要な現場でも3人でやることが多くなってきたから。
ノートテイクなら2人でやることも多い。
そうなると、当然、一人あたりの入力文字数が多くなる。
情報保障の人数が減ったからといって、話すスピードが遅くなるわけじゃなし。
そのとき問われるのが要約力なんだけど、ずっと入力して疲れてくると集中力がなくなり要約力はガクンと落ちる。
そうなると、聞こえたまま入力しちゃったり、するんだよねえ、私。
そこで冒頭のように、「あー、そういえば、講師のIさん、親指シフトだったなー」って懐かしく思うと同時に
なぜ、あのときに頑張って親指シフトにシフトしなかったんだろう
と何十年前のことを反省しているわけです。
時すでに遅し。
いやいや、人生100年時代、80歳になっても要約筆記を続けているかもしれない。
これから先を考えて今から親指シフトにチャレンジするか、それともローマ字入力のまま、要約力を鍛えるか。
迷っております
これからパソコン要約筆記を始める人、始めようと思っている人は自身にとって疲れない入力方法をマスターした方がいいですよ、絶対。
何事も最初が肝心です。最初、覚えるのはエネルギーが要るし大変だけど、一度覚えてしまえば後が楽。
あ~(嘆く声)
それぞれの特徴
3つの入力方法のメリット・デメリットを簡単にまとめてみました。
メリット
・ローマ字⇒多くのユーザーがいる(人のパソコンでも大丈夫)
・かな入力⇒入力回数が少なくて済む
・親指シフト⇒日本語のためにつくられたので指の動きに無駄がない。
デメリット
・ローマ字⇒指の動きに無駄が多く疲れやすい
・かな入力⇒遠いキーを打つのが大変
・親指シフト⇒専用キーボードがない
私は「かな入力」経験者ですが、ホームポジションから遠いキーを打つのがストレスでした。手が大きい人は遠い位置まで指が届くのでいいですが、手が小さい人は指を思いっきり伸ばさないといけないので厳しいかもしれませんね。
また、打鍵数が少ないといっても濁音や小さい「っ」を入力するとき2回打たなければいけない。
あと最近は普通の講演会でも横文字がバンバン入ります。SDGsとか。
ローマ字の配列を覚えておかないと入力できないので「それならローマ字入力でよくない?」って話です。
そんなことを考えると、最終的に「自分に合ったもの」ということになります。
ありきたりですが。
入力ソフト(ATOK・IME・Google日本語入力)についても書こうと思っていましたが、そちらは後日あらためて記事にしたいと思います。