2021年もあっという間に3月になりました。
2月に統一試験を受けた方も、もうすぐ結果が届くと思います。
よい結果だったら、ぜひ活動を続けてください。
悪い結果でも、また受検すればいい、ぐらいに気楽に考えて。
要約筆記をやめる理由
統一試験を受けるぐらいですから、要約筆記をこれから頑張るぞーと燃えている人がいる一方で
年度末、自治体の更新時期やサークルの切り替わりのこの3月になると「やめる」方がかなりの数います。
その理由はいろいろ。
・家庭の事情・・・育児や介護など。年齢的に40代~60代が多いので介護の問題は切実。
・技術的な問題・・・要約筆記が上達しない、派遣依頼がないから先が見えない。
・人間関係・・・要約筆記のサークル内での人間関係は複雑。
学校でも社会に出ても人間関係っていろいろです。そこに家庭の問題が絡むと続けるのがしんどくなりますよね。
私も若いとき、嫌いな上司が原因で会社をやめたいと思ったのですが、怖いのとスムーズに退職するため「家庭の事情」とウソをついたことがあります。誰にも本当のことは言いませんでした。
要約筆記をやめるほとんどの人たちも本当の理由を誰にも言わずに去っていきます。人間関係が理由のことが多いから。
私がこの活動に対して疑問というか、モヤモヤしていることを正直に申し上げると・・・
難聴者やろう者の通訳として社会的にも意義のある活動なのに、手話より認知度が低いこと。
認知度が低いので養成講座に応募する人も少ないし、また続ける人も限られる。
自治体も予算が厳しいため、この「意思疎通支援」にはあまり力を入れていない感じがします。だから、活動していて「何のためにやっているのかな」なんて思うこともたびたび。
過去を振り返っても、やめていった人は数えきれず。
せっかく何十時間も勉強して資格を取ったのにもったいないと思います。
2022年になったわ、と思っていたら、ひとつきが過ぎ2月になりました。 若いころは時間の経過がゆっくりだった気…
そして、大人になっても人間関係での悩みはつきものです。
人間は感情で生きていますから、人間関係で嫌なことが続くとモチベーションがグーッと下がることもあります。
特にこういう対人のボランティアをしていると、表向きは「いい人」の顔をしても、裏ではいろいろあって心では泣いていたりして。
それに行政の事業なので派遣費や報酬は県や市の基準で決まっています。私がこの活動を始めたころ、といってもバブルはとうに終わっていましたが、それでも民間主催の派遣依頼がたまにありました。
報酬も民間の企業が負担で県や市の報酬よりも多くいただいたことがあります。今はほとんど聞きません。
そして、どんな大変なで厳しい現場でも易しい現場でもそれは加味されず。同じように対応しないといけません。
大きな大会だと、派遣前の準備で大変だし、実際の現場は表情はすましていても手と脳を必死で動かしているのです。
手話通訳は間違えても手話が分からない人は間違えたことすら気づかれない。
だけど要約筆記は誤字を出すとすぐに分かっちゃいます。
誤字を出さず、情報が抜けないように、分かりやすく表示するのがパソコン要約筆記。
そのためには勉強を続けていかないといけません。
だけど、いろいろあって「あ~、やってられないよ」なんて
プッツンと張りつめた糸が切れそうになることもあります。
そんなことをつらつら考える3月です。
地方と東京の違い
私が奉仕員の研修を受けた直後に東京でパソコン要約筆記活動をしている方が講師の研修会がありました。
そのとき聞いたことは
その講師の方な要約筆記の派遣事務所に所属していて、サークルはないとおっしゃっていました。
東京はそれが一般的だとか。
私たちはある意味「うらやましい-」となり、講師の方もサークルに所属している私たちを「うらやましい-」と言っていました。
なぜ、サークルがうらやましいのかというと、個人で活動する要約筆記者だと機材一式を自分で買う必要があるからだそう。
(注:かなり前の話なので、現在もそのシステムかどうかは不明)
だから、当時すごく高価なプロジェクターも個人で所有していました。
サークルなら、サークルの備品として機材を使用できるので個人で買う必要はないわけです。
そういう意味で、東京の講師の方は地方の私たちをうらやましく思われたようです。
今はどうなのかな。
当県はスクリーンとプロジェクターは主催者側が用意してくれることがほとんどですが。
また、東京の場合、派遣場所の近くに駐車場が確保できるかどうかも問題だそうです。
駐車場があれば車で移動できるけど、なければ電車で移動しなければいけません。
機材を運搬し、そして情報保障するのも体力が必要とおっしゃっていました。
人間関係って難しい
当時、私はまだサークルに入りたてで、先輩たちとの接し方に悩んでいたときだったので、
「いいなあ、一匹狼なら人間関係の苦労なんてなさそう」ってうらやましく思ったことを思い出しました。
サークルというと、ある意味会社のようになっていますよね。
そこで何かトラブルがあると活動に支障をきたします。
まあ、皆さん、オトナなのでうまく対処していますけどね。
東京のように個人事業主のようなら人間関係で悩むことも少ないんじゃないかと思うし、ひいては長く活動できるような気がしました。
そう見えるだけで実際のところは分かりませんから、チャンスがあれば、また東京や他県の方と交流をもちたいと思っています。
続けることが難しいボランティア
ボランティア活動ですから入会も退会も本人の自由です。
一緒に活動してきた仲間が「やめる」と聞くのはやっぱりさびしいですよね。
現場は楽しいことよりも厳しいことが圧倒的に多いし、技術向上は精進あるのみの世界です。
それでも仲間と一緒だから頑張れるところもあるんですよね。
その仲間の「やめる決断」尊重することも大事ですから、無理に引き留めはしません。
引き留めて「じゃ、やめない」なんて言う人、いませんから。
頭で分かっていても、つらい春を迎えています。
一方、昨年はコロナで中止になった養成講座は今年は開催される予定です。
これはどこの地域も同じではないでしょうか。
養成講座を修了された方が新しい仲間になってくれるよう要約筆記の魅力を伝えていこうと思います。