何をするにも一番難しいのは「続けること」だと思う

2022年度の要約筆記統一試験の結果が発表されたようです。

合格率は、昨年同様低かったようで・・・

受験された手書きの方に聞いたところ「難しかった」とおっしゃっていました。

これわんこれわん

今回の試験もテキスト重視だったそうです


2022年度 合格率

手書き 24%
パソコン 29%

三重聴覚障害者支援センターさまにお借りしました。

【2021年度と2020年度の合格率】

2021年 手書き 29%
パソコン 27%
2020年 手書き 35%
パソコン 39%

過去3年分を比較すると2022年度の手書きの合格率の低さが気になりますね。

要約筆記 3つのハードル

・社会貢献したい
・ボランティア活動がしたい
・人の役に立ちたい

そう思って始めたパソコン要約筆記。

これわんも、十数年、山あり谷ありなんとか続けてきました。

要約筆記には、まったく知らない状況から始めると、節目節目でぶつかる壁があると感じています。

自分自身もそうだったし受講生を見てもそう思います。

私が感じる大きな3つの壁を挙げてみます。



ハードル1

養成講座を修了するまでの第1の壁です。

受講する際、要約筆記がどういうものか分からず申し込む人も少なからずいるんですよね。

「自分が思っていたのと違う」という方は、初日や2回目で分かるので、その時点であっさり辞められます。残念ですが致し方ありません。その根底の意識がズレているとお互い不幸ですから。

受講して「これはやりがいがある仕事だ、頑張ろう」という受講生でも84時間のカリキュラムなので長期間の受講が必須。

一日4時間の場合21日、一日3時間の場合は28日かかります。受講生は社会人が多く、仕事や家事との両立も大変です。

また、用事や体調不良で欠席することもあり得ますよね。補講でカバーするところがほとんどですが、欠講しないよう体調管理、スケジュール管理も大事です。

また、パソコンの場合は入力スピードが問われます。1分間入力文字数を70~80文字を条件にしているところが多いですが、本当は120文字はほしいところ。

タッチタイピングは練習すれば速くなるのですが、我流でやっていたりすると、スピードアップするのに時間がかかったりします。

普段の生活をして講座を受講をしながらのタイピング練習も必要となると、どこかで時間をつくらなければいけません。

受講生同士、励まし合ったり、隙間時間を見つけるなど工夫をして乗り切りましょう。

ハードル2

2つめは統一試験のハードルです。

講座を修了し、統一試験を受けたけど不合格でそれっきり要約筆記を離れてしまう方もいます。

統一試験は「筆記」と「実技」がありますが、どちらか合格していても片方が合格ラインに達していなければ「不合格」となり、翌年も両方受けなければなりません。

「受かったものは免除」となれば要約筆記をやめる人が減るんじゃないかな~と思っているのですが、こればかりは全要研の方針なので仕方ありません。

筆記試験は、過去問をやったりテキストを見返したりして覚え、実技はサークルなどに入会して、先輩方を見ながら勉強するなど、勉強できる環境を整えましょう。

ハードル3

コミュニティのハードルです。

いま、人間関係のわずらわしさから、コミュニティに属するのを嫌がる人が多いです。

また、最近の傾向として、養成講座を受けて「いい勉強になった」と自己満足して、試験も受けずサークルにも入らない方もいるんですね。

ある年には、受講生のほとんどが試験も受けなかったこともありました。

正直、もったいないです。

自分を輝かせて、人の役に立つことができることがすぐ目の前にあるのに、あっさり放棄してしまうことが。

いくら本人の意向重視とはいえ、講座を開催している目的が要約筆記者育成なので、やはり一緒に活動してもらいたいというのが本音。

ひょっとしたら、サークルの先輩が怖くて入会をためらっている人もいるかもしれません。

さとす

あの怖い講師に会いたくないなー

意外と講座で怖い講師もサークルだと優しかったりしますよ。

要約筆記をすることがチームワークである以上、人間関係なしには成り立ちません。

受講前に、そこは十分考えましょう。

過去記事に何度か書きましたが、私は、パソコンの講師二人のデモンストレーションを見たときから

早く現場に出たいというのが目標でした。

初めに見た二人の講師の連携入力があまりにすごくて、「ああなりたい!」って思っちゃったんですね。

それ以降、私の目標はあのように「上手に要約し」「きれいに表出する」ことです。

人が少ないこともあり、現場にはすぐデビューできましたが、この仕事は現場一つ一つが違うので、難しくもあり、それも刺激です。

何年やっていても「今日はうまくできたぞ!」と思ったことは一度もありません。

これわんの今の目標は「今日は納得する要約筆記ができた」と思えるようになること。

それまでは頑張って続けたいと思います。

何をするのも続けなければ意味がない

こんな偉そうなことを言うこれわんも、

毎年、更新時期になると

namida

疲れたなーやめたいなー

と思うことはしょっちゅうです。

現場に出るたび、歳とって記憶力や反射力がが衰えているのを実感するので、現状維持が精いっぱいかなという気もするし。

これわん、執行部としての役割もあるので、サークル運営とかね。

両手あげる

まあ、いろいろあるんです

要約筆記者の将来性は?

コロナもひと段落でイベントも増えてきそうです。

高齢化社会で高齢難聴も増えてきています。

今後、要約筆記者がもっと求められると思うし、活躍する場も増えてくると思うんですよね。

私自身も「キツいな、ここでやめちゃえば楽になるのに」と思っています。

だけど、50代、これから新しいことを始めるには、それこそハードルが高すぎる。

要約筆記を続けるのも大変ですが、

やめればそれっきりです。

前向きに頑張っていきましょう。