統一試験を受検された方、お疲れさまでした。
やるだけのことはやりました。あとはゆっくり待ちましょう。
統一試験直前にお二人の方からメールをいただきました。
「受験します」というタイトルをいただいたSさん。これわんに「発信を続けてください」とエールいただきました。
ありがとうございます!
記事、ちゃんと書きますね・・・頻度も高くします。
たぶん・・・
もうお一人は、これわんと同じ50代のMさん。要約筆記に興味があるけど心配な部分があるとのこと。
大丈夫。要約筆記は覚えても損はしません。
たとえ、講座を受講して「やっぱり合わないな」とやめても、教わったことは今後の人生に役立つでしょう。
金銭的リスクも少ないです。
興味がおありなら、どんどんチャレンジしてください。
で、今日は要約のお話です。
文章力と要約力
私がナカムラクリニックの中村先生のファンであることは、以前の記事でもお伝えしました。
今日の「これわん」は2つ。 たった2つだけど、今の私のイチオシだ。 最近買った酵素系の洗剤「とれるNo.1」と…
先生の生き方、情熱、仕事の向き合い方など尊敬するところはいっぱいあるんだけど、私が感じている一番の魅力は「文章力」に尽きます。
母が死んで、当然悲しかったわけだけど、なぜ悲しいかといって、母がどこにもいなくなってしまったから。 晩年は癌で、実家のリビングにずっといた。 僕は県外で働いていたけど、「もし実家に帰ればいつもの定位置にいるだろう」と想像することができたし、実際帰省すると、そこにいた。 しかし、いまや、母はそこにいない。 そこどころか、世界中のどこにもいない。 僕にはこれが不思議だった。バカなことを言っていると思われるかもしれないけど、「人が死んだら、いなくなる」ということが、何だか妙に不思議だった。そして、息がつまるように悲しかった。 存在が、消滅する。 これが死ということか。 途方もなく重い気持ちに
↑は2023年2月21日の投稿。中ほどに高齢の女性が亡くなったときの光景が書いてあるけど、何度読んでも涙が出そうになる。
そのシーンがありありと浮かぶような臨場感のある文章力。
Webライターでもあるこれわんは、いつも先生の投稿記事で勉強させてもらっている。
形容の仕方が絶妙でバツグンです。
「概念の再構築」という点においては、こういう文章力が生きるかもしれない。
だけど、文章力があるから要約する力があるというわけではありません。
後からいくらでも文章を推敲できる、いわゆる「何文字以内にまとめよ」という要約と、話している内容をまとめながら表出する要約筆記はまったくの別物です。
パスカルの言葉
“I am sorry to have wearied you with so long a letter but I did not have time to write you a short one”
確率論や『パンセ』で有名なブレーズ・パスカルはこんなことをある手紙の中で言っていたそうだ。
時間なかったから長文の手紙送っちゃった。時間があれば短くできたんだけどね。という意味。
引用:黒田悠介 議論メシ主宰 より
最初に紹介した中村先生のブログにもパスカルの言葉の引用があった。
「時間がない⇒長文になる」というのは意外に思われるかもしれない。
でも、よく分かる。とにかく頭に浮かんだことを書く、入力するだけなら楽だから。
その分、冗長な文章になるし繰り返しや無駄な言葉が多い。
要約するのは時間が必要で簡単ではないということ
要約筆記も同じことが言える。
講演会など、イントロから中盤までは「頑張って要約しよう」とするし、疲れていないから伝わりやすく分かりやすい文になる。
だけど、後半になるにつれ脳の疲労がたまり、つい聞こえたまま入力しちゃう。
話についていくのに精いっぱい
そして、話し言葉のままの読みづらい文章や何を言っているか分からない長い文章になったり。
ひどいときは、主述の関係がねじれたおかしな文章になったりしがちです。
要約するってことは簡単なようで、実は時間もかかるし、脳の負荷も相当なものだと思う。(自画自賛)
個人的なことを言うと、私の仕事であるWebの記事においても、何回も推敲を重ねた文章はすっきりして読みやすい。(自画自賛)
4000文字の文章より、同じ内容を半分の2000文字の方が分かりやすく、読んでいてすっと腑に落ちるときがある。
本当に伝えたいことはポイントを絞った方が分かりやすい。
そのポイントをパッと聴き取ることができるように講座のカリキュラムは組まれている。
だけど、その「要約力」は一朝一夕でつく力ではない。
入力速度と要約
また、入力速度によっても要約力が変わってくる。
入力のスピードが遅い人は、形容詞などの入力まで手が回らないので、「何がどうした」みたいな素っ気ない文章になりがち。
私は奉仕員の講座のときに出会った難聴の女性Hさんに「私は全部入力してほしい。分かっているよ、無理だよね。でも本心はそうなの」と言われたことがある。
皆さん、口に出さないけど、そう思っている方もいるかも、と思って必要な情報は極力入れるようにしている。
だけど、今は「すっきりさせましょう」「ガッツリ要約しましょう」という流れなので、私の要約筆記は「打ちすぎ」「もっと要約できる」と言われる。
痛し痒し。流れには逆らえないから、心の中で「Hさん、ごめんね」と手を合わせギューッと要約するよう心掛けている。
経験と工夫
講演会など、1時間で話す内容の幹の部分は本当にわずか。だけど、それじゃあ、聞きに来た人は面白くないでしょ。
ある程度、枝葉の部分も入れたいと思っているので、どこを削るかというところに一番気を使っている。
わたくしてきには、頑張って要約しているが、去年、他サークルの人に「もっと要約した方がいいよ」と助言をもらった。
うーん、まだまだなんですな
「短く」と意識しすぎると、要約でなく、省略しただけになってしまうから、そこが難しいところ。
話者が伝えたいことを、即座にくみ取り要約して表現するには、パスカルじゃないけど時間がかかる。
音が聞こえてくると入力したくなるが、グッとこらえ、頭の中でまとめながら入力する。
そのためには経験を積むしかない。派遣に行くことで勉強になることもあるし、だんだん身につくものだと思う。
要約の話は尽きないなー。
(続きは後日)